先日、検索ワードにつっこみを入れた記事のなかに、
●プラモデル スペースシップワン : あったらほしい! ただちに買う!
というのがあった。 そしたら、これを読んだ秘密結社の市村さんという人が、さっそく「じつはあるよ」と、教えてくれたのであった。
なんでも、市村さんの知りあいの人が、ガレキの工房をやってるという。つまり、プラモデルじゃなくて、レジンキットなんだけど、それならSSOもあるとのこと。
さっそく、紹介された TOKIWA AIRCRAFT CREATE に行ってみると、ここがじつに感動的だったのですね。
ここで制作されているキット、みごとに心にぐさぐさと、つきささって
くる作品ばっかりだったのでした。
チャンスヴォートF7U-3カトラス!
ダグラスF4Dスカイレイ!
マグドネルF3Hデモン!
デハヴィランド・シーヴィクセン!
どれも小学生のころ、好きだった機種ばっかり! F7Uは1950年代前半、フォレスタルグループが登場する前の世代の空母に配備された艦戦で、独特な……ま、いいか。話すとまた、ものすごーく長くなるから。(^^;
SF系でいっとくと、『ケネディ騎士団』のペガサス機は、このカトラスをモデルにしたものと思われる。
(c)USNavy
これはダグラス・スカイレイ。 50年代中盤の艦戦。
こーいう機種のレジンキットがごろごろしているのだ!
もちろん、スケールドコンポジッツもいろいろ。SSO+WKは2パターン、SSO単体のほか、プロテウスはいるわ、ヴォイジャーはいるわ。 これはもう感涙。(ToT) 口、開いてるよ。
でも、いちばん感動したのは、イギリス航空宇宙産業の最後から
2番めの輝ける芸術作品、BAC TSR2だ!
(c)RAF
残念ながら、掲載フリーと思われる手持ちの写真は、このモノクロ
1枚しかないんだけど。
うん。 優雅。これって「白き貴婦人」と呼ばれて、大英帝国最後の
栄光をになうべく開発された「作品」なのである。
結局、あまりにも開発費がかかり、 最後はなんとか開発に成功しかかったものの、 政治が介入して配備中止になったっていう「悲劇の貴婦人」なんだけどね。
当時、60年代前半としては驚異的な、マッハ2.25という最高速度
をはじめ、高度3万6000ftでマッハ2.1、同200ftではマッハ1.1という、現代技術でもF22で部分的にしか実現していない、 超音速巡行
能力を有し(以上はWACのスペックによる。それにしても、梢の高さでマッハ1.1だぜぃ!)、それでいながら重武装で、 さらにはいまで
も考えられないほど驚異的なSTOL性能もあわせもつという、明らかに20年から30年は時代を先どりした襲撃、戦術攻撃・偵察機……いや、実質は戦略爆撃機だったのである。
製造はBAC(ブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション)になっ
ているけど、設計と開発は、 ここに統合される前のイングリッシュ・
エレクトリックとヴィッカース・アームストロング社のチーム。
ところが、製作されたのは2機で、 実際に進空したのはうち1機だけ、合計飛行時間は13時間と9分。 つまり、航空史上でも類をみないような悲劇的運命をたどった機体なのよね。
もちろん、1度も進空しなかったとか、初飛行で主翼がもげたとか、そーいうトホホ系はいろいろあるけど、これは国家の威信をかけたプロジェクトだったわけで。
いちおう、ここで開発されたエンジンは、のちにコンコルドで採用さ
れたようだし、ウェポンシステムの思想はF111とB1に継承されて、
とくにB1の地形追随レーダーシステムに、強い影響をあたえたって
いわれてるけどね。
1965年当時、 政権をとった労働党の政策転換により、開発が中
止されたんだけど、この政治判断によって、イギリスは世界一の技
術を獲得する機会を、永遠に失ったといわれている。
つーか、当時から「世界の航空技術の損失」 といわれてて、その
ころ『航空情報』や『丸』 なんていう、小学生はぜったい読まない雑
誌を愛読していた私は、「ものすごいひこーきだったんだ」 と、脳味
噌にぐりぐりと刷りこまれて育ったわけである。
しまった。語っちまったぜ。(^^;;;
ま、とにかく、そのくらい好きなひこーきなわけです。
あとで市村さんに聞いたところによると、TSR2は2003年にオンエ
アされた『ストラトス・フォー』っていうアレビアニメに登場して、ファン
のあいだで、一躍知名度があがったそうだ。やるな~アニメ畑のな
かの人。
もしかすると、60年代後半に『航空情報』とか『丸』を愛読していたろくでもない小学生が、私以外にもいたのかもしれん。ヽ( ´-`)ノ
話をもどさないと。
そーいうわけで、このガレージキット工房の魅力に、完全にはまってしまったわけ。 こりゃ困った。(^^;;;
なんたって、レジンキットだ。 プラモほどお手軽じゃない。 ペーパーかけ、塗装、ペーパーかけ、塗装、ペーパーかけ、塗装、ペーパーかけのくりかえし。
うーん。たしかに、20代にはフルスクラッチもふくめて、いくらかレジンもこねまわしたスキルもあるが、いまあれだけ辛気くさいラブリーな作業をする気力が、はたしてあるかどうか。 エアブラシもまた買わないとなんないし。
とかいいつつ、けさケーヨーデーツーのチラシに載ってた、安いコンプレッサーをチェックしてたりして。(^^;;;
ま、キットを眺めてるだけでもいいから、とにかく買うだな。
まずSSOとTSR2。 これは必須。 理事会役員が終わったら、しばらくひきこもって、これをやるだ。
最後に、市村さん、どうもサンキューでした。 TSR2には、そーいうものすごい思いいれがあったんですよ。
このころのというか、戦後イギリス航空産業に特有な、この合理的で一種武骨な設計思想が土台にあったからこそ、『謎の円盤UFO』 の飛行メカ群が、あれほど美しいのであって……おっと、また語ってしまうところであった。(^^;
また、サイトの掲載許諾をいただきました、TACの須藤光明さん、どうもありがとうございます。 ほんとにいいセンスだと思います。